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有機ホウ素ポリマー

反応性高分子としての有機ホウ素ポリマー

有機ホウ素ポリマーは、有機ホウ素部分の高い反応性により、様々な置換基、機能団をポリマー主鎖に導入することができます(反応性高分子)。すなわち高分子反応により、従来の手法では得ることが困難な種々の高分子材料の合成が可能となりました。

含ホウ素共役系ポリマー

含ホウ素共役系ポリマーはホウ素原子の空のp軌道を介して共役系が拡張する全く新しいタイプの共役系ポリマーです。このポリマーは高い安定性を持つだけではなく、従来の共役系ポリマーには見られない光、電子機能材料として期待されています。また、下図には、ホウ素ポリマーのアニオンセンサーとしての応用例を示しました。

ジピロメテンホウ素錯体を用いた機能性材料の創出

ジピロメテンホウ素錯体(BODIPY)は、電子豊富なジピロメテン骨格が電子受容能の高いホウ素原子で架橋されたことで、高い平面性、剛直な分子骨格、長波長吸収・発光特性を有します。加えて、ホウ素錯体化の効果でHOMOやLUMO準位が低下することで、高い酸化耐性と電子輸送特性の発現が期待できます。BODIPY誘導体を主鎖に有する共役系高分子を合成し、その電子輸送特性や近赤外光吸収・発光特性を調査しました。

アザジピロメテンホウ素錯体を主鎖に有する近赤外発光性高分子

赤色発光を有するアザジピロメテンホウ素錯体を含む共役系高分子を合成し、その光学特性を評価しました。得られた高分子では主鎖共役の拡張によって吸収や発光波長が長波長シフトし、優れた近赤外光吸収・発光特性を示すことが明らかになりました。また、ホウ素錯体部位に導入する共役リンカーの位置や種類によってその光学特性が詳細に制御可能であることも明らかにしました。
文献
1) Yoshii, R.; Nagai, A.; Chujo, Y. J. of Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 2010, 48, 5348-5356.
2) Tanaka, K.; Yanagida, T.; Yamane, H.; Hirose, A.; Yoshii, R.; Chujo, Y. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2015, 25, 5331-5334.

高い電子輸送能を有するジピロメテンホウ素錯体含有共役系高分子

ジピロメテンホウ素錯体やアザジピロメテンホウ素錯体を有する共役系高分子を合成し、その電子輸送能を評価しました。得られた高分子はホウ素錯体が持つ高い電子受容能と平面性の影響で、代表的な電子輸送性材料であるAlq3と比較して高い電子移動度を示すことが確認されました。
文献
Yoshii, R.; Yamane, H.; Nagai, A.; Tanaka, K.; Taka, H.; Kita, H.; Chujo, Y. Macromolecules 2014, 47, 2316-2323.

ジイソインドメテンホウ素錯体を主鎖に有する近赤外発光性高分子

赤色発光を有するジイソインドメテンホウ素錯体を有する共役系高分子を合成し、その光学特性を評価しました。得られた高分子は共役の拡張によって吸収や発光波長が長波長シフトすることで、近赤外光吸収・発光特性を示すことが明らかになりました。さらに、高分子反応を用いて、高分子ユニット中に分子内架橋構造を誘起することで高分子ユニットの剛直性や平面性が向上し、吸収や発光がより長波長領域に発現することを見出しました。
文献
Yoshii, R.; Nagai, A.; Tanaka, K.; Chujo, Y. J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2013, 51, 1726-1733.

チオフェン縮環型ジピロメテンホウ素錯体を基盤とした近赤外吸収性高分子

チオフェン縮環型ジピロメテンホウ素錯体を繰り返し単位として有する共役系高分子を合成し、その物性を評価しました。得られた高分子はドナー・アクセプター構造を持たないことに起因して非常に強い近赤外光吸収を示しました。文献
Yoshii, R.; Yamane, H.; Tanaka, K.; Chujo, Y. Macromolecules 2014, 47, 3755-3760.